院長ブログ

2014年4月14日 月曜日

睡眠中の周期性四肢運動障害と心不全の死亡リスク

周期性四肢運動は睡眠中に定期的な脚の運動を繰り返すのが特徴の疾患である。健常人と比較して、高齢や心不全患者に多いことが言われているが、その臨床的な意義は不明でああった。
Yuminoらは、218人の終夜睡眠ポリソムノグラム検査を行った慢性心不全患者を前向きに観察し、周期性四肢運動障害と死亡リスクとの関連性を検討した。心不全患者のうち37%で1時間あたりの周期性四肢運動が5回以上(周期性四肢運動障害)を認めた。周期性四肢運動障害の有無で平均33ヶ月観察したところ、障害をもつ患者がもたない患者と比較して、有意に死亡リスクが高いことが分かった。多変量解析にて、年齢や左室収縮能などの関連因子の存在を除外したとしても、心不全患者において、周期性四肢運動障害が独立して死亡リスクと関係していた。

ゆみのコメント:
周期性四肢運動障害と死亡リスクの関連性を示したはじめての報告である。
周期性四肢運動障害は、「Playing football during sleep, 睡眠中のサッカープレイ」とも言われ、周期的に足を蹴飛ばすような動きをする疾患である。蹴るような行動だけでなく、脚先をぴくぴくさせたり、ねじるような動きをしたり、その様子は様々である。
1時間あたりの回数を重症度指数とし、本研究では5回/時間以上を周期性四肢運動障害と定義づけ、心不全患者の1/3以上と高頻度に認め、これが死亡リスクとも関係していることを報告している。睡眠中に起こる繰り返す低酸素や覚醒反応を認める睡眠時無呼吸症はその病態自体が心不全を悪化させることが知られている睡眠中の病気であり、その因果関係も少しずつ明らかになっている。しかしながら、周期性四肢運動障害はそれ自体が心不全を悪化させるか、また心不全の単なる予後予測因子であるかはいまだ明らかになっていない。いずれにせよ、心不全患者にとって夜間睡眠中の出来事を観察することは、その病態や病状把握のために有用であり、患者の生活の質の向上、予後の改善のため、多角的に「treatable factor:治療可能な関連因子」を探索することは重要と考える。

引用文献:Yumino D et al. Relation of periodic leg movements during sleep and mortality in patients with systolic heart failure. Am J Cardiol 2011;107:447-51.

投稿者 ゆみのハートクリニック

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